こんにちは、M&Aアドバイザーの松金です。
現在、専任のM&A担当者を置いていない中小・中堅企業を中心に、買い手企業の立場から会社買収を支援しています。
案件を探すところから、案件評価、買収価格や条件の検討、トップ面談、意向表明、デューデリジェンス、契約・クロージング、買収後の初期PMIまで、経営者が会社買収を進める際の意思決定をサポートしています。
私がM&Aに関わるようになった背景には、これまでの仕事の中で、中小企業の経営者、新規事業、ITベンチャー、そしてM&Aや出資を活用して事業を成長させる企業を身近に見てきた経験があります。

松金 秀和
株式会社スプリングフィーリング代表取締役。JTBで法人営業を経験した後、ソフトバンクのメディア事業で新規事業の企画・開発に携わる。出資先ITベンチャーでは執行役員として事業推進を経験。2007年に独立し、サイト売買・サイトM&AからM&A支援を開始。現在は中小・中堅企業の買い手FA・企業買収支援を行っています。
原点は、中小企業の経営者と話したJTB時代
社会人として最初に入社したのはJTBでした。
法人旅行の営業担当として、社員旅行などの受注を目的に、中小企業の経営者を訪問する機会が多くありました。
旅行を受注すると、添乗員として社員旅行に同行することもあります。
そうした中で、経営者の方とお酒を飲みながら、事業のこと、社員のこと、これまでの苦労や、これからやりたいことなど、さまざまな話を聞かせていただきました。
前向きな話もたくさんありましたが、経営者だからこその苦労について聞くことも少なくありませんでした。
当時の私はまだ会社経営を経験したこともありませんでしたが、そうした話を聞きながら、
「会社を経営するというのは大変だけれど、ずいぶんダイナミックで面白い世界だな」
と感じるようになりました。
振り返ってみると、中小企業の経営者と直接話し、その会社の事業や経営について考えるようになった最初の経験だったと思います。
ソフトバンクで、M&Aを「企業成長の手段」として身近に経験
その後、インターネットが急速に普及していく中でIT業界への関心が強くなり、ソフトバンクへ転職しました。
ソフトバンクは、M&Aや出資を積極的に活用しながら事業領域を広げ、大きく成長してきた会社として知られています。
私が在籍していた当時も、新しい事業をすべて自社だけで一からつくるのではなく、出資、資本提携、M&Aなどを組み合わせながら、外部の経営資源を取り込み、事業を拡大していくことが身近にある環境でした。
私はソフトバンクのメディア事業における新規事業の企画・開発部門で、マネージャーとして新しい事業やサービスの企画・推進に携わりました。
周囲には出資やM&Aに関わる案件も多く、企業や事業を外部から取り込みながら成長していくプロセスを身近に見ることができました。
また、一時期はソフトバンクが出資したITベンチャーへ出向し、執行役員として社長の近くで事業推進にも携わりました。
M&Aや出資を企業成長の手段として積極的に使う会社の中で、新規事業をつくる側、出資先で事業を伸ばす側の両方を経験できたことは、その後の私の仕事に大きな影響を与えています。
ソフトバンク在籍時に、ボーダフォン買収によって事業戦略や経営資源の配分が大きく変わる様子を現場で経験したことや、その後のM&A・出資戦略から考えてきたことについては、
「ソフトバンクで見た『時間を買う』M&A|買い手FAとしての私の原点」
で詳しく書いています。
M&Aで、事業成長の時間を短縮する
そこで経験したのは、単に「会社を買う」「会社に出資する」ということだけではありません。
重要なのは、その後です。
取得した事業やサービスを自社の顧客基盤とどう組み合わせるのか。
相手企業が持っている人材やノウハウをどう生かすのか。
どこに追加投資を行い、どうすれば次の成長につなげられるのか。
自社ですべてを一から始めれば、必要な人材を採用し、顧客を獲得し、技術やノウハウを蓄積するまでに何年もかかることがあります。
一方で、すでにそれらを持っている会社と資本提携したり、M&Aによって取得したりすることで、成長に必要な時間を大きく短縮できる場合があります。
さらに、一つの事業が大きくなれば、そこで得た顧客基盤、人材、技術、資金などを使って、次の事業へ展開していくこともできます。
M&Aや出資は、それ自体が目的ではなく、企業を成長させるための経営手段の一つである。
私はこのことを、企業が実際に事業を拡大していく環境の中で学びました。
現在、買い手企業を支援する際にも、この考え方が根底にあります。
IT業界で感じた「意思決定のタイミング」の重要性
もう一つ、IT業界で強く感じたことがあります。
それは、経営において「何を決めるか」だけでなく、「いつ決めるか」が非常に重要だということです。
ITの世界は、とにかく環境変化の速い世界です。
新しい技術やサービスが次々と生まれる一方で、少し前まで順調だった事業が、環境の変化によって短期間で競争力を失うこともあります。
「もう少し早く他社と組んでいれば」
「この会社やサービスを取り込めていれば」
「このタイミングで事業を譲渡できていれば」
と感じるような場面もありました。
価値のあるサービスや技術であっても、経営判断のタイミングを逃してしまえば、その価値を十分に生かせないまま縮小したり、終了したりすることがあります。
それは企業にとっての損失であるだけでなく、せっかく生まれたサービス、技術、人材、顧客基盤が生かされなくなるという意味では、社会的にも大きなロスだと感じます。
反対に、適切なタイミングで他社と組んだり、M&Aを実行したりすることで、自社だけでは時間のかかる成長を一気に進められることもあります。
こうした経験から、私は次第に、
経営者が大きな意思決定をする場面で、その判断を支える仕事には大きな価値がある
と考えるようになりました。
2007年、サイト売買・サイトM&Aから独立
2007年に独立し、会社を設立しました。
創業時から取り組んだのが、Webサイトやインターネット事業を対象とした「サイト売買」「サイトM&A」です。
現在でいうスモールM&Aの一つです。
当時は今ほど中小企業M&Aが一般的ではありませんでしたが、Webサイトやインターネット事業にも、顧客、アクセス、ブランド、コンテンツ、技術、人材など、さまざまな事業価値があります。
それを必要とする企業へ引き継ぐことで、売り手だけでは伸ばし切れなかった事業が、買い手企業の経営資源と組み合わさって成長する可能性があります。
ソフトバンク時代に培ったIT分野の知識や人脈も生かしながら、サイト売買・サイトM&AからM&A支援を始め、その後、企業そのものを対象としたM&Aへと支援領域を広げてきました。
経営者は、大きな意思決定を一人でしていることが多い
独立後、私自身も会社経営者になりました。
そのため、仕事としてM&Aに関わるだけでなく、経営者同士の会食や日常的な付き合いの中で、事業や経営について話をする機会が多くあります。
そうした中で以前から感じていたことがあります。
会社にとって重要な意思決定を、社長一人で考えている中小企業がとても多いということです。
もちろん、それ自体が悪いとは思いません。
会社の最終的な意思決定をするのは経営者です。
ただ、経営者には日々さまざまな仕事があります。
営業、採用、資金繰り、組織づくり、取引先対応、新規事業、既存事業の問題対応。
そのうえで、M&Aのような普段とは違うテーマについて、自分で情報を集め、資料を読み、価格を考え、相手と話し、専門家とも打ち合わせをし、最後には自分で決断しなければなりません。
経営者の方から、
「やりたいとは思っているけれど、何からやったらよいか分からない」
という話を聞いたこともあります。
その言葉は、私にはとても自然なものに聞こえました。
初めてのM&Aで「見る目」がないのは当然だと思う
特に、初めて会社を買収する経営者の場合、分からないことが多いのは当然です。
仲介会社から案件を紹介されても、
- 最初に何を見ればよいのか
- この会社は本当に良い会社なのか
- 自社が買う意味はあるのか
- 提示された価格は高いのか、安いのか
- トップ面談では何を聞けばよいのか
- DDで問題が出たら、どう判断すればよいのか
といったことを、一つずつ考えなければなりません。
案件を見る経験がまだ少ないのですから、最初からM&A案件を見る目が養われているはずもありません。
それにもかかわらず、中小企業では社内にM&A専任担当者がいないことも多く、経営者自身が通常の経営を続けながら判断していくことになります。
私は、この部分を買い手企業の側で一緒に整理する役割が必要なのではないかと考えるようになりました。
これが、現在買い手FAとしての支援に力を入れている理由の一つです。
なぜ今、中小企業の買い手M&Aを支援するのか
私はもともと、新規事業の立ち上げや事業開発に長く関わってきました。
新しいことを始め、それを大きく成長させていくことに強い関心があります。
その意味で、会社買収も単なる「会社の売買」とは考えていません。
M&Aは、事業を成長させるための経営戦略の一つです。
かつてはIT業界特有だと思われていたような急激な環境変化も、現在では多くの業界で起きています。
ITやAIをはじめとするテクノロジーは、製造業、サービス業、人材、物流、旅行、建設など、ほぼすべての業界で必要不可欠になりました。
市場環境も、顧客のニーズも、人材採用も、競争相手も変化します。
中小企業にも、以前にも増して、環境の変化に応じて事業や組織を柔軟に変えていく経営が求められています。
自社で新しい事業を一からつくる方法もあります。
しかし、それだけが成長方法ではありません。
必要な事業、人材、顧客基盤、技術、ノウハウを持つ会社をM&Aによって取得することで、成長に必要な時間を短縮できることがあります。
私はソフトバンク時代に、M&Aや出資を活用しながら企業が事業を広げていく環境の中で、新規事業や事業推進に携わってきました。
大企業と中小企業では、使える資金も人材も組織体制も異なります。
それでも、
必要な経営資源をすべて自社だけで時間をかけて築くのではなく、M&Aによって取り込み、企業成長の時間を短縮する。
という考え方は、中小企業にも十分活用できると考えています。
特に支援したいのは「初めてのM&Aを、次につなげたい会社」
私が特に支援したいのは、
これから初めて会社買収に取り組み、その後もM&Aを継続的な成長手段として活用していきたい中小企業
です。
M&Aは、一件経験すると会社にさまざまな知見が残ります。
どのような会社を探すのか。
案件資料のどこを見るのか。
トップ面談で何を確認するのか。
企業価値や買収価格をどう考えるのか。
DDで何を確認し、その結果を価格や条件へどう反映するのか。
買収後にどのような体制で経営するのか。
一件目では外部の専門家に頼る部分が多かったとしても、そのプロセスを一緒に経験すれば、経営者自身にも、会社にもM&Aの知見が蓄積されます。
そして、
「自社はどのような会社を買うのか」
「どのように案件を評価するのか」
「どの条件なら進み、どの条件なら見送るのか」
という、自社なりの判断軸ができてきます。
一件目のM&Aを成功させ、そこで得た事業、人材、顧客基盤を次の成長につなげる。
そして必要であれば、二件目、三件目のM&Aにも取り組んでいく。
そうなるとM&Aは、一度きりの特別なイベントではなく、企業の成長戦略の一つになっていきます。
私は、一件のM&Aを支援して終わるのではなく、その会社がM&Aを成長戦略として使えるようになるところまで、長く支援できる関係をつくりたいと考えています。
初めて会社買収を検討している方は、「初めての会社買収」も参考にしてください。
M&Aは「買うこと」が目的ではない
一方で、M&Aを積極的に使うことと、何でも買えばよいということは全く違います。
案件が紹介されると、
「せっかく紹介されたから」
「良さそうな会社だから」
「ここまで検討したから」
と、買う方向へ気持ちが傾きやすくなることがあります。
しかし、その会社を自社が買う理由が十分にないのであれば、見送ることも重要な経営判断です。
私が買い手企業を支援する際に大切にしているのは、買収を成立させることそのものではありません。
買収判断で考えたいこと
- なぜ、この会社を買うのか
- 買収後も事業は成り立つのか
- どの価格・条件なら、自社にとって投資として成立するのか
- 買収後に誰が、どのように経営していくのか
こうしたことを一つずつ整理し、経営者が納得して意思決定できる状態をつくることです。
買収を成立させることを前提とせず、案件ごとに確認すべき事項やリスクを整理し、買収判断に必要な検討をサポートします。
これは、現在の買い手FA支援で大切にしている考え方です。
「何を決めるか」だけでなく、「決められる状態」をつくる
最終的に会社を買うかどうかを決めるのは、経営者です。
私は、経営者に代わって経営判断をすることはできません。
一方で、判断するために必要な情報を集め、論点を整理し、選択肢を比較し、
「何が分かっているのか」
「何がまだ分からないのか」
「どこまでのリスクなら許容できるのか」
「この条件で本当に買う意味があるのか」
を一緒に考えることはできます。
経営者が一人で抱えていた大きな意思決定について、判断材料を整理し、十分に考えられる状態をつくる。
私は、それが買い手FAの重要な役割の一つだと考えています。
M&Aを成長戦略として活用し、避けられる失敗はできるだけ減らしてほしい
初めて会社買収を検討する経営者にとって、M&Aは分からないことの多い世界だと思います。
それでも、自社の成長を真剣に考え、新しい事業へ挑戦したい経営者にとって、M&Aは非常に有力な選択肢です。
だからこそ私は、
M&Aを積極的に活用しながら、避けられる失敗はできるだけ避ける。
そのための支援をしたいと考えています。
買収戦略を整理する。
候補企業を探す。
紹介された案件を評価する。
経営者同士で話す。
価格と条件を考える。
専門家によるデューデリジェンスの結果を経営判断につなげる。
そして、買収後の経営を始める。
その一つひとつの場面で、経営者と一緒に考え、意思決定に必要な材料を整理する。
そして、初めての一件を、その会社の次の成長につなげていく。
それが、私が現在、買い手企業のM&A支援に取り組んでいる理由です。
会社買収を、成長戦略として活用したい経営者の方へ
「会社を買いたいが、何から始めればよいか分からない」「初めてのM&Aなので、案件をどう見ればよいか分からない」という段階からご相談いただけます。
弊社では、専任のM&A担当者を置いていない中小・中堅企業を中心に、買い手企業の立場から会社買収を支援しています。
一件の買収を成立させることだけではなく、その経験を次のM&A、次の事業成長につなげることまで見据えて支援します。
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